子供の仕上げ磨きは何歳まで必要なのか?磨き方のコツも歯科衛生士がお伝えします

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子供の仕上げ磨きって何歳くらいまで必要なのかな?

私が歯科クリニックに勤務している時に、お子さんを持つ患者さんからよく質問されたことのひとつ。
小学生にもなると、子供自身でも歯を磨くことが出来るお子さんが多いはずです。
お子さんが自分で歯を磨いている姿を見て安心して、仕上げ磨きはしていないよと
言われる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、きちんと歯を磨くという行為は意外にも難しいものです。
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子供の仕上げ磨きは10歳ごろまでやるのがベスト

歯磨きする男の子

 

仕上げ磨きは何歳まで必要なのかという答えを、先に書いてしまいます。

私は10歳くらいまでは必要だと感じています。

小学生の間は必要であると言われることもあります。年齢でいうと12歳まで。

 

私には、もうすぐ10歳になる息子がいますが、歯磨きの様子を見ていたら日によっては数秒で終了している時があります。

さすがに数秒では、きちんと歯磨きをしたとは言い難いです。

案の定、息子の口の中をみてみると、歯垢がべったりとついている箇所があったりします。

 

【歯を磨いている】と【歯が磨けている】の違い

ある程度の年齢になると、自分で歯を磨くことは出来ます。

ただ、歯磨きがただの行為になっていることが多いです。

 

汚れが溜まりやすい場所を意識して歯を磨かなければ、歯をきちんと磨けているということにはなりません。

 

子供の場合、特に歯をきちんと磨くということが出来るのは高学年くらいからではないかと思っています。

 

10歳ごろまでは、乳歯と永久歯が混在して歯並びが複雑になっており、子供が自力で歯磨きをするのが大変ということも言えます。

 

もちろん、年齢だけでは区切ることは難しいところがあります。

低学年でも、手鏡を見ながら熱心に歯磨きをする子もいますし
中学生になっても、歯磨きがうまく出来ていないお子さんもいるのは事実です。

 

お子さんの口の中をチェックしてみて、目立った汚れはないかや、歯ぐきが赤く腫れていないか
虫歯かと思われる歯はないかをぜひチェックしてみてください。

 

お子さんの歯磨きをする姿をみて、ただの儀式になってないかを確認してください。

 

磨き残しを『見える化』してみるのもおすすめ

磨き残しがある状態がずっと続くと、虫歯や歯周病になってしまう可能性があります。

 

磨き残しとは、主に歯垢(プラーク)のことですが、歯垢はじっくりと口の中を観察しなければ、
白っぽい色なので見えにくいことがよくあります。

この見えにくい汚れを『見える化』する方法として、歯垢染色法が挙げられます。

歯医者さんで染色をして歯磨きチェックをすることもありますが、市販品もあります。

 

Bitly

 

この染色剤を使用して、口の中に残っている歯垢を染めることで
歯垢がどこに付着しているかを簡単に確認することが出来ます。

 

ぶくぶくうがいが出来るお子さんであれば、歯垢染色剤を使えるかと思いますので
定期的に歯垢染色して、磨き残りを見つけるのも良い方法です。

定期的に歯垢染色することで、歯のどの部分に歯垢が付きやすいかも分かってきます。

 

この磨き残しがある場所の多くは、もともと汚れの溜まりやすいとされている場所と一致することが多いです。

 

染まった場所をお子さんと一緒に確認することで、お子さんが磨けていなかった場所を、自身で把握することも出来ます。

汚れが溜まりやすい場所は大きく分けて3つ

模型を持った子供の挿絵

汚れが溜まりやすい場所ということは、虫歯になりやすい場所ともいえます。

歯科医学的には、年齢ごとで虫歯になりやすい場所を、もっと細かく分類していくことも出来るのですが、ここでは汚れの溜まりやすいとされる場所について紹介しようと思います。
1.歯と歯ぐきの境目
2.歯と歯の間
3.奥歯の溝の部分

 

この3つの場所を専門用語では【三大不潔域】と呼び、お子さんに限らず大人にも共通している場所です。

 

歯科衛生士学校のテストではこの分野、よく出題されますよね(笑)

この領域を理解していないと、患者さんへのブラッシング指導はできません。

仕上げ磨きのポイント

では実際に、お子さんの仕上げ磨きをする時のポイントをお伝えします。

ただ闇雲に磨くのではなく、汚れの溜まりやすい場所を意識して磨くことが非常に有効です。

 

汚れの溜まりやすい3つの場所のうち、【歯と歯ぐきの境目】と【奥歯の溝】については、歯ブラシを使うことが最適で、【歯と歯の間】については、歯ブラシだけでは不十分なので、デンタルフロスや歯間ブラシが必要になります。

 

仕上げ磨きに使用する歯ブラシの大きさですが、大きいものは個人的にはおすすめしません。

丁寧に磨くためにも、小さめな方が磨きやすいと思います。

 

デンタルフロスと歯間ブラシについては、また追って記事にしたいと思います。

 

歯と歯ぐきの境目を磨く時のポイント

歯と歯ぐきの境目

 

歯と歯ぐきの境目を磨く時は、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先が当たるようにセットします。

 

歯ぐきに毛先が当たっていると、汚れが効率よく取れませんし、歯ぐきを痛めてしまいます。

 

境目に毛先があることを意識して、歯の面を磨くようにします。細やかな振動で汚れを取っていきます。

1本ずつ磨くような感じにすると良いかと思います。ごしごしと大きく動かすと、境目に毛先がうまく当たりません。

歯を2面に分けて磨くようにします。①唇または頬っぺた側から磨く、そして②上あご側または舌側からの2面を磨くという感じです。

 

奥歯の溝を磨く時のポイント

奥歯の溝

 

奥歯の溝を観察してみてください。複雑な溝のかたちをしていると思います。

この溝には汚れが溜まりやすく、虫歯にしてしまうことが多いです。念入りに汚れを落としていきます。

 

毛先が運動するように、毛先を押さえ付けすぎないようにします。ブラシを色んな角度で溝に当てるようにします。一方向だけの磨き方では汚れが取り切れません。

うまく磨けていたら、シャカシャカと音がします。

 

さいごに

幼児期のお子さんは、お子さんが歯磨きをした後に、全体的な仕上げ磨きが必要です。

 

小学生以降のお子さんの場合は、汚れが溜まりやすい場所を中心にチェックをするのが良いと思います。

 

毎日仕上げ磨きをするのは難しい場合は、週に2~3回程度は仕上げ磨きや、磨き残しがないかの点検出来たら良いですね!

 

子供の仕上げ磨きは10歳くらいまでするのがベスト

●幼児はできたら毎日全体の仕上げ磨き
●小学生以降は、汚れの残りやすい場所を中心に仕上げ磨きまたは点検

汚れの残りやすい場所を意識した仕上げ磨きをする

●歯と歯ぐきの境目
●歯と歯の間(デンタルフロスや歯間ブラシを利用するのが良い)
●奥歯の溝

 

文章では磨き方の詳細するのは難しいのですが、汚れの残りやすい場所を意識しながらお子さんの仕上げ磨きをしてみてくださいね。今後はもっと分かりやすく説明できるよう記事の書き方も考えようと思ってます。

 

お子さんによって、歯の大きさや歯並びなど違いますので、詳しいブラッシング方法を知りたいという場合は、歯科医院で相談されることをおすすめします。歯科衛生士が丁寧にブラッシング指導をしてくれます。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

Bitly
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